上方修正企業には長い目で注目
日経平均は反発し、週初につけた年初来高値(10375円)を更新した。企業業績や景気回復への期待感などを背景に、後場先物主導で上げ幅を拡大した。今後はザラ場ベースの高値(10479円)及び、心理的な節目の10500円を抜けるかどうかが焦点となりそうだ。ただ、ここに来て中国市場に一服感が出始めているのは気掛かり。きょうは上海総合指数が一時3.5%安となり、終値は1週間ぶりの安値に沈んだ。中国人民銀行による資金吸収が警戒されたもようだが、前週も引き締め観測などが浮上して同指数が急落した場面がある。世界の株式市場を先駆してきた中国だけに、仮に「出口戦略」へ舵を切り始めれば、好転し始めた景気に冷や水を浴びせかねず警戒したい。
あすは社数ベースで1Q決算発表の2次ピークを迎えるが、時価総額上位の主力株は概ね終了した。これまでの傾向を分析すると、自動車大手が予想外の営業黒字を確保したことに始まり、金融(銀行、証券)などで黒字に転じる銘柄が相次いだ。また、電子部品・電機各社は前年同期比で大幅減益(赤字転落)ながら、前年4Q(1-3月期)に比べて飛躍的に業績を改善させ、1Q段階で早くも上方修正に踏み切る銘柄も散見された。その一方で、海運や鉄鋼などが業績予想を下方修正するなど、業種別で明暗が分かれた。前年の1Q決算を振り返ってみると、半導体、自動車部品、化学、電子部品などが1Q段階から下方修正を余儀なくされたが、今回の1Q決算はそれらの業種で上方修正が相次ぐなど情勢は様変わりしている。過去数年の傾向から、1Q決算時に修正をした企業は今後も四半期ごとに同じ方向に修正を繰り返すケースが多いだけに、上方修正をした企業には長い目で注目したい。
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/domestic_market/market_topix.asp
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